投稿

6月, 2025の投稿を表示しています

花火で学ぶ化学のひらめき ~体験で深まる期末考査範囲~

イメージ
「校長先生、今年もやります。」 先日、理科担当の河合先生から、声をかけられました。何をやるかというと・・・ 本日、2年生の文系・理系あわせて8名の生徒たちが、「化学」の実験に取り組みました。 場所は、体育館下のピロティ。テーマは「炎色反応」です。 すでに終了した1学期期末考査の試験範囲で、復習を兼ねて、色の違いを確認する楽しい授業です。 まずは、本校理科教員の河合先生による講義からスタート。 「リチウムは赤、ナトリウムは黄色…」と、金属ごとの色の復習を行ったあと、市販の花火を用いた実験へ。 炎の中でどんな色が見えるか、生徒たちが実際に目で見て確認しました。 「お、赤!これはリチウムか?」「これはナトリウムかな?」 花火の色を見て、金属を言い当てる声が次々と上がります。 ただ楽しいだけでなく、知識と結びつけながら体験することで、生徒の記憶にも、心にも、しっかりと残る授業となりました。 火花の向こうに、知的な“ひらめき”が光る——  そんな、学びの瞬間に立ち会えたひとときでした。

会えなかったけど、出会えた一日

イメージ
 本日、「中馬街道 足助宿 ご朱印ウォーク」が開催されました。 本校の生徒たちはボランティアとして参加し、地域の魅力発信のお手伝いをしてくれました。朝9時、足助八幡宮に集合し、足助神社でご朱印を手渡したり、太子堂の階段下で案内をしたり、旧田口家では参加者にお菓子を配ったりと、それぞれの場所で笑顔と声かけによるおもてなしをしてくれたそうです。 ところが私はというと、地元自治会の河川草刈り作業と重なってしまい、足助に着いたのは午前11時半ごろ。 すでにスタート地点の足助八幡宮には誰もおらず、生徒たちにも会えませんでした。 その後、旧田口家へ向かう途中、なんと以前の勤務校の同僚であるN先生にばったり再会。 ご朱印ウォークに参加されていたとのことで、本校生徒とも言葉を交わされたそうです。「少し先にいるかもしれませんよ」と教えていただき、足を速めましたが…やはり、生徒たちに会うことはできませんでした。 残念な気持ちを抱えつつ学校へ戻ろうと歩いていたところ、道中で印象的な看板を発見しました。 そして、1~2分歩くとこんな風景を拝むことができました。 曇天の空の下に浮かび上がる飯盛山と足助のまち並み。さらに視点を変えると、うっすらと足助城の姿も見えました。 生徒たちの姿に直接会うことは叶いませんでしたが、休日にもかかわらず地域のために汗をかいてくれた生徒たちに、心から感謝しています。 また、こうした機会を企画・運営してくださった地元の皆さまにも、深く御礼申し上げます。 そして何より、思いがけない方との再会や、足を止めたからこそ出会えた新たな風景——そんな偶然の重なりに、心がほどけるようなひとときをもらいました。 今日もまた、足助というまちに教えられた気がします。

テストだけじゃない。人間力を育てる一日

 本日は、学校内外でさまざまな学びの機会がありました。(今回は画像がありません。文章だけで変化がないですが、最後までお読みいただけると幸いです) まず一つ目は、1学期の期末考査の最終日。朝、通学バスの遅延があり、数名が遅刻する状況がありましたが、幸いにも全員が1時限の開始には間に合い、無事に試験を終えることができました。 試験終了後には、「情報講話」を実施しました。講師として足助警察署の方にご来校いただき、SNSやインターネットをめぐるトラブルについて、具体的な事例とともに注意点をお話しいただきました。情報を発信することの責任や、ネット上での言葉の重みについて、生徒たち一人ひとりが真剣に受け止めたと思います。 午後からは、「足助人(あすけっと)活動」として交通安全教育を実施。再び足助警察署の方にお越しいただき、実演を交え、自転車の安全な利用についての講話をいただきました。あわせて豊田市役所の方から、ヘルメット購入補助金制度についての説明もあり、安全意識を日常の中に落とし込む機会となりました。 同時進行で、防火・防災に関する啓発活動も行われました。講師は足助消防署の方です。この活動では、啓発グッズのデザインを生徒に考案してもらうという依頼もあり、本校の文芸部にオファーをいただきました。それに先立ち、防火防災に関する講話が行われ、その後、足助消防署に場所を移して施設の見学も行いました。災害時にどう動くべきか、日常の中で何を意識しておくべきか、五感を通じて学ぶ貴重な機会になりました。 今日の一連の行事は、どれも「認知能力」の向上だけでなく、「非認知能力」、つまり人との関わり方や社会で生きていく力の育成にもつながるものです。 ご協力いただいた足助警察署・足助消防署・豊田市役所の皆様、誠にありがとうございました。そして、これらの行事を企画・運営してくださった先生方、本当にありがとうございます。 生徒たちの健やかな成長のため、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

保護者の方へ  ~ 期末考査と紫陽花、小学生から届いた感謝の手紙 ~

イメージ
 保護者の皆さまへ いつも本校の教育活動にご理解とご協力をいただき、心より感謝申し上げます。 本日から、1学期の期末考査が始まりました。体調不良などによる欠席もなく、生徒たちは全員そろって試験に臨んでいます。教室の中では真剣な表情が並び、それぞれの努力が形になることを願うばかりです。 あいにくの雨模様が続いていますが、校庭の片隅では紫陽花の花が静かに咲き始めました。まだ小ぶりながら、しっとりと濡れた花びらのような部分が梅雨の空気にやさしく彩りを添えています。 話は変わり、先日、豊田市立中金小学校の児童たちが足助地区を訪れました。総合的な学習の一環での訪問でしたが、当日は本校の観光ビジネスコースの生徒たちがガイド役を務めました。足助の歴史や魅力を、生徒自身の言葉で小学生に伝えるという、貴重な機会となりました。 そして、小学生からお礼のお手紙が届きました。 「足助の歴史を教えてくれてありがとうございます」 「家族にも話して、家族と一緒に足助に行きたいです」 「11月にはたくさん観光客が来るけれど、それ以外の時期は少ないことを知りました」 といった感想から、小学生の素直な学びと感動が伝わってきます。 本校の生徒たちにとっても、人に何かを伝えることの難しさと楽しさ、そして地域に貢献できる喜びを感じる機会になりました。 さて、紫陽花の話題に戻ります。紫陽花の花びらのような部分についてです。よく話題となりますが、この花びらに見える部分は「ガク(萼)」で、本当の花はその奥にひっそりと咲いているんですよね。脇役のような存在が主役のように咲き誇る――そんな紫陽花の姿が、学びの途中にいる生徒たちの姿とも重なり、校庭でふと足を止めて見入ってしまいました。 今後も、生徒たちが地域や人と関わりながら学ぶ機会を大切にし、一人ひとりの成長を見守ってまいります。引き続き、温かいご支援を賜りますようお願い申し上げます。

「モズのヒナと出会った朝  〜命と静けさに包まれる校舎〜

イメージ
今朝、生徒が登校する前の静かな昇降口に、思いがけない訪問者が現れました。 それは、一羽の小さなモズのヒナ鳥。まだ飛ぶ力もおぼつかない様子で、ちょこんと床に座り込んでいました。 私がそっと近づいても、逃げる気配はありません。 人間が怖くないのか、それともまだ「危険」という感覚を知らないのか——不思議な気持ちで見つめていると、用務員さんも様子を見に来てくれました。 やはりこのままでは、登校してくる大勢の生徒たちに気づかれず、踏まれてしまうかもしれません。 そこで、用務員さんがちり取りに乗せて校舎の外へと逃がそうとしたその時、元気よく飛んでいきました。 ヒナ鳥が人間を恐れない理由の一つには、生まれて間もない段階では「警戒心」がまだ育っていない、という説があります。 親鳥からの「外敵への注意喚起」を十分に受けていない状態では、人間を含む動くものすべてをまだ脅威と認識できないのです。 本能や学習によって少しずつ身に付けていく「危機管理能力」。それをまだ持たない幼い命の姿に、私たちはかえって守ってあげなければという思いを強くします。 ウグイスの鳴き声が日常に溶け込む学校で、今日はモズのヒナとの出会いがあり、一層心が和らぎました。 自然と隣り合わせの環境の中で、命の尊さや静けさを感じられるこの場所が、改めてかけがえのない場所であると実感した朝でした。

ワクワクする学びがここにある 〜少人数授業と観光探究の現場から〜

イメージ
先日、本校で実施された2つの取組をご紹介いたします。いずれも「少人数授業」や「観光を通した探究的な学び」という本校ならではの特色が、存分に発揮されたものとなりました。 まず1つ目は、数学科の尾関先生による2年生理系クラスの研究授業です。わずか5名の少人数で行われたこの授業では、なんと自然放射線の測定実験を実施しました。 使用した測定器は、放射能教育支援サイト「らでぃ」様からお借りしたもの。放射線に対する距離や遮蔽物の影響を、実際の測定データをもとに考察するという、非常に実践的かつ高度な授業でした。生徒たちは学校内の各教室を回りながら放射線量を測定し、そこから得られたデータを数学的に分析。尾関先生は「この論理的な考察プロセスは、数学的思考を深める上でも非常に有効です」と語ってくださいました。知識と体験が結びついた、まさに本校ならではの“深い学び”が展開されていました。 校長室でも測定しましたよ。 そして2つ目は、観光ビジネスコースの2・3年生による活動です。豊田市立前山小学校と中金小学校の児童たちが、足助地区の学習のために訪問された際、その案内・おもてなしを本校生徒が行いました。児童たちが楽しんで学べるように工夫されたマップや解説を用意し、笑顔で交流する姿がとても印象的でした。小学生がバスに乗り込む際には、本校のおちゃめな男子生徒2人が名残惜しそうに手を振る微笑ましい場面も。ぜひ本校ホームページ「学校ブログ」の写真もご覧ください。 これら2つの活動に共通しているのは、生徒たちが“ワクワク”しながら主体的に学んでいるということです。少人数だからこそできる、深い探究ときめ細かな指導。そして、地域とつながるリアルな学びの場。これからも本校では、こうした“ワクワクする学び”を大切に育てていきます。 本校生徒の皆さん、尾関先生・熊﨑先生はじめ本校教職員の皆さん、これからもよろしくお願いします。 今後の活動にも、期待しています。