「モズのヒナと出会った朝  〜命と静けさに包まれる校舎〜

今朝、生徒が登校する前の静かな昇降口に、思いがけない訪問者が現れました。

それは、一羽の小さなモズのヒナ鳥。まだ飛ぶ力もおぼつかない様子で、ちょこんと床に座り込んでいました。

私がそっと近づいても、逃げる気配はありません。

人間が怖くないのか、それともまだ「危険」という感覚を知らないのか——不思議な気持ちで見つめていると、用務員さんも様子を見に来てくれました。

やはりこのままでは、登校してくる大勢の生徒たちに気づかれず、踏まれてしまうかもしれません。

そこで、用務員さんがちり取りに乗せて校舎の外へと逃がそうとしたその時、元気よく飛んでいきました。

ヒナ鳥が人間を恐れない理由の一つには、生まれて間もない段階では「警戒心」がまだ育っていない、という説があります。

親鳥からの「外敵への注意喚起」を十分に受けていない状態では、人間を含む動くものすべてをまだ脅威と認識できないのです。

本能や学習によって少しずつ身に付けていく「危機管理能力」。それをまだ持たない幼い命の姿に、私たちはかえって守ってあげなければという思いを強くします。

ウグイスの鳴き声が日常に溶け込む学校で、今日はモズのヒナとの出会いがあり、一層心が和らぎました。

自然と隣り合わせの環境の中で、命の尊さや静けさを感じられるこの場所が、改めてかけがえのない場所であると実感した朝でした。


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