本校の校歌を考えてみた(私なりに探究しました)。
校歌解説(上沼の解釈)
1番…(足助高校の校舎(建物)について)
「雲湧きのぼる山峡(やまかい)に 巴の瀬音とどろくところ」
・・・「雲湧きのぼる山峡」は、雲が湧き上がっているような山間の渓谷を表現しています。ここで「巴の瀬音」とは、巴川の流れの音を指します。学校のある場所が自然豊かで美しいことを表現しています。
「あこがれ懸(か)くる飯盛の みどりにひらくその窓は」
・・・「あこがれ懸くる」は、強く憧れていることを意味します。「懸(か)く」は「心にとめる、心に託す」こと。「飯盛」は「飯盛山」。「みどり」は新芽、若葉。つまり自然の美しさに囲まれた景色を表現しています。そして、「その窓は」というのは、学校の建物の窓が、この美しい自然を取り込みながら開かれていることを意味しています。
「ああ学び舎(や)よ わが母校」
・・・学びの場である母校を慕い、その美しさと価値を讃えています。学び舎としての母校の重要性と愛情が込められています。
1番は、自然の美しさや学びの喜び、そして母校への愛情を歌っており、学校の風景や学ぶ環境の大切さを称賛しています。
2番…(生徒の皆さんについて)
「自由の風はゆめを呼び よろこび胸に溢(あふ)るるわれら」
・・・「自由の風」は、自由な校風のことで、その自由な校風が生徒の皆さんの「ゆめ(=新しい発想や考え) を呼び」、喜びに満ちた気持ちであふれている状態です。自由な精神や創造力を持つことで、心が満たされていることを表現しています。
「素朴のいのち若鮎の 理想は虹とかがやきて」
・・・「素朴のいのち」は、質素で純粋な生活や生き方を指します。「若鮎」は若く生命力にあふれる魚のことで、生徒の皆さんのことを指しています。この若者が理想とするものは「虹とかがやきて」と表現されています。つまり、素朴で純粋な生き方の中にも、理想として虹のような輝きや美しさを求めていることを示しています。
「叡智(えいち)を競いたずねゆく」
・・・叡智(えいち)とは、深い知恵や知識を意味し、それを競い合い求める姿勢を持つことを示しています。「たずねゆく」とは根源や道理を探り求めることで、学校全体が知恵や道理を追求し、その道を探求していることを表現しています。(ふるきをたずね、あたらしきをしる。温故知新)
2番は、自由な校風から新しい発想を持ち、質素で純粋な生き方、そして知恵を追求する精神を讃えています。学びの場としての価値観や目標が表現されています。 現在の本校の目標である姿(生徒の皆さんが自主的に考え自立し、探究活動を推進する姿)です。
3番…(足助高校と生徒の未来について)
「自然の芸術(たくみ)香嵐の もみじと花と綾(あや)織(お)る郷(さと)に」
・・・芸術=たくみ…「芸術」「技術」の雅語(かご)的表現。「雅語的表現」とは優雅で正しいことば。和歌などに用いる平安時代のことば
・・・「自然の芸術」は、自然が創り出す美しさや芸術性を指します。ここでは、「香嵐のもみじと花」=言うまでもなく、もみじの香嵐渓の美しい景色が描かれています。そして、「綾織る郷」というのは、足助がもみじと花によって美しく織り成されている様子を表現しています。
「文化の建設(きずき)実践の 誓いもかたくはげむなり」
・・・「文化の建設実践」すなわち、文化や教育の推進に対する決意や約束が述べられています。その誓いがしっかりと強調され、実行に向けて努力する覚悟を示しています。
「栄光(はえ)あれ永久(とは)にわが未来(ゆくて)」
・・・栄光を手に入れ、永遠に続くわが未来を願うという意味が込められています。生徒である君たちのみでなく、学校や地域の未来に対する希望と期待が表現されています。
3番は、自然の美しさや文化の重要性を称賛し、文化や教育の推進に対する熱意と希望を込めています。特に3年生が卒業時に「わが未来」に対して「栄光あれ永久に」と高らかに歌い上げてもらいたいと思います。
解説を作成するにあたり本校国語科教諭、川島先生、上山先生、大塚先生のお力をお借りしました。どうもありがとうございました。
皆さんは本校校歌をどのように解釈しますか?
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